イスラエルのネタニヤフ政権は18日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘をめぐるイスラム組織ハマスとの停戦合意について、全体の閣議で正式に承認したと発表した。これにもとづいて19日に戦闘の停止と人質解放が始まる見込み。今後は停戦の合意事項が履行されるかが焦点となる。
現地からの報道によると、閣議では賛成24票、反対8票だった。ネタニヤフ氏が率いる連立政権に加わる極右政党出身の閣僚らが反対した。政権は全体閣議での承認に先立ち、安全保障閣僚の会議を開催し、合意への支持を得ていた。
3段階からなるイスラエルとハマスの停戦合意の第1段階は19日から6週間で、ハマスが女性や高齢者、負傷者ら33人の人質を解放する。19日はまず3人が解放される見通し。イスラエルも期間中、拘束しているパレスチナ人を数百人規模で釈放する。この間、軍事行動を停止し、イスラエル軍はガザの人口密集地から撤退する。イスラエル法務省は18日、釈放されるパレスチナ人730人以上の名簿を発表した。
第2段階で残りの人質の解放と全てのイスラエル軍の撤退、第3段階で残る人質の遺体の引き渡しと、ガザの復興が予定されている。ただ、イスラエルの有力紙ハアレツが関係筋の話として報じたところによると、ネタニヤフ氏は閣議で「合意違反があった場合、トランプ(米次期大統領)はイスラエルの作戦再開を支持する」と説明したといい、恒久的な停戦につながるかは見通せない状況だ。
仲介国・カタールの外務省報道官は18日、停戦は現地時間の19日午前8時半(日本時間午後3時半)に開始されると発表した。イスラエル法務省は、パレスチナ人の釈放は現地時間の同日午後4時以降に始まるとしている。
主要7カ国(G7)は日本時間17日、声明を発表。停戦合意を「完全に承認し、支持する」とした上で、全ての当事者に対し、合意の条件を尊重するよう求めた。